たまにしか書かない詩人のように 

詩のようなもの、これらの恥ずかしい日常に。  恐怖に目覚めたら嗤うがいい辛くなったら感性の目覚めを喜べ、羽を手に宿命の鍵を拭け

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この詩人--種田山頭火

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 四月一日 晴――曇。

徹夜不眠、しゆくぜんとして寝床から起き上つた、あゝ、どんなに思ひ悩んだことか。
反省自覚。――
節度ある生活。
小鳥がいろ/\来ては鳴く、鶯も鳴いてゐる。
私にも春が来てゐるのだが、何となやましい春!
青春のなやみと老境のなやみ、だいたい、老境にはなやみなんどあつてはならないのだが。
身心共に貪るなかれ、たとへば微酔にあきたらないで泥酔にまでおちいることもホントウではない。
食慾減退、とても大きな胃袋の持主の私なのに。
蜂がしきりに鳴いてそこらを飛びまはる、おまへもまた落ちつけないのか。
街へ油買ひに、ついでに入浴、さつぱりした、のうのうした。
春、春、春、まつたく春だ。――
さくらもちらほら三分咲き、金鳳華咲いてこゝかしこ。
そして議会はとつぜん解散になつた。
何もかも動揺してゐる、私自身のやうに。
夕方、暮羊君来庵、先夜の脱線ぶりを互にぶちまけて笑ふ(私はむしろ泣く気持だ)。
人生はひつきよう泣き笑ひらしい。
招かれて、いつしよに行く、奥さんの手料理でほろ/\酔うて戻る。
自浄吾意、――そこに建て直しの鍵がある。
猫が虎のやうになる――なりきらないところに、そこに悲喜劇の科介マヽがあらはれるのだ。
今夜も眠れさうになかつたが、何となく気が明るく軽くなつて、明方ちかくなつて睡れた。
夜をこめて恋のふくろうのたはむれ、彼等は幸福だ、幸福であれ、といふのも人間の愚痴だらう。
□アルコールは離れがたマヽない悪魔だ。
 酒を飲むことは、酔うて乱れることは、私の Karma だ。
□狂か死か、それとも旅か(今の私を救ふものは)、或はまた疾病か。
□死線を超えるごとに、彼は深くなる、それがよいかわるいかは別問題だ。
□そこに偶然はない、必然があるばかりだ。
□時としてはよい種子も播け!
   今日の私の買物
一金十五銭  石油三合
一金十一銭  マツチ大函
一金十銭   ハガキ五枚
一金五銭   切手十枚

┌いとなみ――労働┐
│        ├たのしいはたらき
└たはむれ――遊戯┘



其中日記(十)より

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戦前日本の俳人。よく山頭火と呼ばれる。自由律俳句のもっとも著名な俳人の一人。1925年に熊本市の曹洞宗報恩寺で出家得度して耕畝(こうほ)と改名。本名・種田正一。1882年(明治15年)12月3日 - 1940年(昭和15年)10月11日)
大正15年寺を出て雲水姿で西日本を中心に旅し句作を行い、旅先から『層雲』に投稿を続けた。1932年(昭和7年)郷里山口の小郡町(現・山口市小郡)に「其中庵」を結庵したが、体調不良から来る精神不安定から自殺未遂を起こす。その後東北地方などを旅した後、1938年(昭和13年)には同町湯田温泉内の「風来居」、さらに1939年(昭和14年)松山市に移住し「一草庵」を結庵。翌年、この庵で生涯を閉じた。享年58。

------------------------------------------------------------------------Wikipedia-------

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